衝撃の復活劇 一気に世代トップへ サクラローレル編
厳選名馬列伝の名馬列伝で今日ご紹介するのは、サクラローレルです。
イメージ的には遅咲きのスーパーホースって感じです。
父 レインボークエスト
母 ローラローラ
生涯成績:22戦9勝
主な勝ち鞍:天皇賞(春)有馬記念
勝ちきれない苦しいスタート
サクラローレルは、現表記で3歳デビューだった。
今では、レインボークエスト産句なので、当たり前と思うが、当時はそんなイメージはなく、期待はされていたが、思ったほど成績を残すのが遅いなってイメージでした。
初勝利を挙げるまで3戦をようして、しかも期待していた芝での勝利ではなく、ダートでの勝利だった。
500万下条件でも芝にチャレンジしたが、結局はダートで突破することになった。
ダービートライアルの青葉賞に出走して3着(当時は3着までに優先出走権があった)で出走の権利を獲得したが、
本番のダービー前に脚の炎症により回避するしかなかった。
距離が伸びれば芝でもやれることがわかったのは収穫だったかもしれない。
秋になり、条件戦に出走するも3着と勝てず、続くセントライト記念も菊花賞出走のための権利獲得はできなかった。
そこからは、条件戦を使っていき、2回連続2着の後に2連勝で、3歳終了時にはオープン馬までになっていた。
古馬になり本格化
4歳は金杯からスタートして、ハンデも軽く後続を大きく離して重賞初勝利を飾った。
この時点で、調教師はかなりの手応えを感じていたらしいが、ファンには強い勝ち方をした馬が出てきたなぐらいにしか思わなかっただろう。
春の天皇賞を目指して目黒記念に参戦したところ、圧倒的1番人気に支持されたが2着と期待を裏切る形になった。
そして運命のケガに襲われる。
栗東で調教中に重度の骨折に見舞われた。
サクラローレルは期待馬だったので、懸命にやれることをやって復帰を目指すことになったが、普通の条件馬だったら安楽死を選択されていてもおかしくないような骨折だった。
復帰には1年という長い時間をようした。
翌年の5歳の中山記念で約1年1ヶ月ぶりに復帰した。
久々だったこともあり9番人気の低評価だった。
1年ぶりのレースで、ジェニュインなど明け4歳の若い馬を相手のレースだったがこのレースで、圧巻の競馬をみせる。
後方待機から直線で加速すると1頭だけ違う競馬をしているかのうような脚で一気に差しきった。
勝ち方が衝撃的で競馬ファンは度肝を抜かれたはずだ。
次戦は1年越しの目標だった天皇賞(春)に挑んだ。
距離が中山記念の1800mから一気に1400m伸びることに不安をされていたのと、2頭の名馬が出走していた為3番人気だった。
1番人気は、同世代の代表格の3冠馬のナリタブライアンだった。
ようやく同じ世代との運命の初対決になった。
そしてもう1頭が、安定した強さと長距離適正が売りのマヤノトップガンだった。
レースは、マヤノトップガンをナリタブライアンがマークする形で進み、4コーナーでも、2頭のマッチレースになると思われたが、マヤノトップガンは失速して、ブライアンが勝利すると思われたが、そこにサクラローレルが飛んできた。
一気に交わして最後は2馬身以上離しての圧勝だった。
これでようやくGTのタイトルを獲得した。
秋までゆっくりと休養して、オールカマーから天皇賞の春秋連覇を目指すことになっていた。
レースでは、天皇賞で倒したマヤノトップガンが次走で宝塚記念を勝っていたので、2番人気ながら圧倒的な差で勝利して本番へ好発進した。
そして本番に挑んだ秋の天皇賞では1番人気だったが、レースでは直線で思ったような進路をとらせないような、マーベラスサンデーの武豊騎手の好騎乗に阻まれたりしたのが響いて3着どまりだった。
3歳馬のバブルガムフェローに敗れる屈辱的なレースにもなってしまった。
ジャパンカップはパスして、有馬記念に挑みました。
コースも距離もベストと思われていた有馬では、サクラローレルの強い競馬が復活して2つ目のGTを勝利して、この年の年度代表馬に選出されました。
待ちに待った海外挑戦の年
6歳になり、念願だった凱旋門賞のプランが発表されました。
そのためローテーションは、春の天皇賞へ直行して、その後現地でフォア賞を使ってから本番の凱旋門賞へ挑むことになりました。
春の天皇賞へ直行したサクラローレルはマヤノトップガンに差されて2着でした。
負けはしましたが、予定通り海外挑戦は続行で、フランスに渡りステップレースであるフォア賞に挑みました。
現地でも日本のチャンピオンホースが挑戦ということもあり、1番人気になりました。
しかし運命は残酷なもので、レース中に屈腱不全断裂しており、最下位になってしまった。
もともと足元が強くないローレルだったので、ケガは仕方なかったのかもしれません。
厳選名馬列伝が思うサクラローレル
サクラローレルは、ナリタブライアンという同世代の最強馬との戦いがどちらもベストの時にできなかったのが非常に残念です。
ローレルの現役時代は非常に強いライバル馬がいて、とても面白いレースをいくつも見せてくれました。
海外挑戦は残念でしたが、無事に戻ってこれてよかったと思います。
種牡馬になってからは、GT馬は輩出できませんでしたが、サンデーサイレンス全盛期の時代の種牡馬ですので、仕方がないかなとも思います。
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